日本語慣用語辞典(日本語版)
【あ~あお】・ああ言えばこう言う 他人の意見や見解に対して何かと理屈(屁理屈)を言って従わない。類:●右と言えば左。
・合縁奇縁(あいえんきえん) 主に男女の出会いや友人との巡り合いに用い、結婚したり親しくなったりするのもしないのも、全て因縁(いんねん)によるということ。類:●縁は異なもの味なもの。●袖振り合うも多生の縁。●躓(つまづ)く石も縁の端(はし)。●なにごとも縁。
・愛敬付き合い(あいきょうづきあい) 親身でない、通り一遍の付き合い。類:●商売付き合い。●義理の顔出し。●愛敬ぼくろ。
・挨拶は時の氏神(あいさつはときのうじがみ) ここでの「挨拶」は、仲裁のこと。争いごとの仲裁を買って出てくれる人は、その場にとって氏神さまのように有り難い存在である。仲裁人の取り成しには従うべきである。類:●仲裁は時の氏神。
・愛想(あいそ) 1.人に対する応対の仕方。好感を持たれる言葉遣い・表情・態度など。例:「愛想がない態度」 2.人を喜ばせるための言葉や振る舞い。類:●お世辞。●愛嬌。例:「お愛想を言う」 3.相手に抱いている好意や親しみ。例:「愛想が尽きる」 4.特別な心遣いや持て成しなど。また、気を利かして与える金品。例:「何のお愛想もございませんで…」 5.飲食店などの勘定・勘定書。★「あいそづかし」の略で、これを見るとあいそが尽きるの意からという。もと関西の語。★(「あいそう」を短く呼んだもの。現代では「あいそ」が一般的であるが、「あいそう」とも。愛らしい、親しみのこもった様子の意で、「愛相」が本来の表記という)
・愛想が尽きる(あいそがつきる) それまで持っていた好意や愛情がすっかり失せてしまうこと。類:●愛想も小想(こそ)も尽き果てる。●愛想尽(づ)かし。
・開いた口が塞がらない(あいたくちがふさがらない) 呆れ返ってものが言えない。類:●話にならない。
・開いた口に餅(あいたくちにもち) 思い掛けない幸運\に恵まれること。類:●棚から牡丹餅。
・間に立つ(あいだにたつ) 両者の間に入って、仲を取り持つ。仲介する。類:●間に入る。
・相槌を打つ(あいづちをうつ) 鍛治が向かい合って槌を打つところから、相手の意向に合わせる。人の話に同意する。
・相手の持たする心(あいてのもたするところ) 相手の持っている心がこちらに影響を及ぼすという意味で、相手の出方次第でこちらの出方を決めようとする。類:●相手の出方次第。
・生憎(あいにく) 1.こちらの目論見(もくろみ)と違ったり、目的と合わなかったりで、具合いが悪いこと。折り合わないこと。例:「生憎な天気だな」 用例:滑・浮世風呂-二「此頃はあひにくに商が隙でのや」 2.都合の悪いことに。折悪しく。用例:人情・春色梅児誉美-四「夕べはあいにく客人が落合ひなんして」
・相盗人(あいぬすびと) 一緒に計画を立てた盗人同士の意味で、密かに謀\り合った仲間。類:●同じ穴の狢(むじな)。●臭(くさ)い仲。
・愛別離苦(あいべつりく) 仏教用語。八苦の一つ。愛する人と別れるときの苦しみ。類:●哀別悲離(あいべつひり)。出典:五王経(ごおうきょう)
・曖昧模糊(あいまいもこ) 物事の輪郭がはっきりしないでぼんやりしている様子。あやふや。
・相身互い(あいみたがい) 同じ境遇や状況に置かれた人同士が、お互いに同情し合い、また助け合うこと。また、そのような間柄であること。例:「女は相身互い」★(「相身互身(あいみたがいみ)」の略)
・会うも不思議会わぬも不思議 元々占いや夢には根拠がないのだから、当たってもそれはむしろ不思議というべきであるということ。類:●会うも夢会わぬも夢。●当たるも八卦(はっけ)当たらぬも八卦。
・阿吽の呼吸(あうんのこきゅう) 二人以上が同時に何かをするときの、相互の微妙な調子や気持ち。また、それがぴったり合うこと。絶妙なタイミング。
・青息吐息(あおいきといき) 窮地に追い込まれて、苦しみ困った時に吐く溜息。また、それが出るような追い込まれた様子。類:●青菜に塩。●蛞蝓(なめくじ)に塩。●青菜を湯に浸(つ)けたよう。
・仰いで天に愧じず(あおいでてんにはじず) 自分の心に少しも疾(やま)しいところがない。出典:「孟子-尽心上」の「仰不愧於天、俯不圉於人」
・青い鳥(あおいとり) メーテルリンクの童話から、転じて、幸福。幸福は本人の身近にあるということ。希望など。
・青男(あおおとこ) 年が若く、未熟な男。類:●青二才。
・青き眼(あおきまなこ) 気に入った者や好きな人を迎えるときの、涼しい、気持の良い目付き。類:●青眼。
・青臭い(あおくさい) 1.(どちらかというと悪い意味で)青草のような匂いがする。生々しい、嫌な匂いがすること。2.未熟である。経験が足りなくて幼稚である。類:●小便臭い。例:「青くさい議論(文章)」
・青筋を立てる(あおすじをたてる)[=張(は)る] 顔面(こめかみなど)に静脈を浮き出させる。激しく怒ったり、興奮したりしている様子を表す。類:●怒髪天を衝(つ)く。●顔面朱を注ぐ。●怒りに声も出ず。●腸(はらわた)が煮え返る。
・青竹の手摺(あおだけのてすり) 若いのに似合わず、世事に悪い方向に摺れている者。主に女性に用いる。類:●擦れ枯らし。★(「青竹」は若い人、「手摺」は、すれている、の意から)
・青田買い(あおたがい) 水稲の米が実る前の青い葉のうちに、その田の収穫量を見越して先買いすることから転じて、学校の卒業が決まらないうちに、企業などが採用を決めてしまうこと。類:●青田刈り。●不見転(みずてん)買い。
・青田の先売り(あおたのさきうり) まだ米が実らないうちに収穫量を予想して産米を売ること。転じて、先を見越して物を売ることの喩え。
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